指名者カードの考察
昨今手札誘発と呼ばれるカード群はメジャーどころだけでも約10種類を数え、展開デッキ側は常にそれらとの戦いを強いられます。対抗馬として《墓穴の指名者》《抹殺の指名者》等のカードでそれに相対する図式。
当然自分も【ドラゴンリンク】使用時にお世話になりましたが、使っていく中でメインギミックから孤立しており事故要因になる点、罠や前盤面を超えるのに寄与せず手番に効力を左右される点に疑問を抱くようになりました。指名者2種は使った分だけ嫌いなカードになっていったのです。
もちろんこの先も使う時は来ると思いますが、「思考停止で3枚ずつ」という運用はしたくありません。そこで今回はそれらのカードの長所・短所、使いこなせるデッキの特性等を整理し書き留め、きちんとした理由を持って採用を検討する準備としたいと思います。
考察と銘打ちましたが、「使う側としての考察」がこの記事のすべてです。その点は悪しからず。
それぞれの長所・短所
改めて今回話題にするカード2種について見てみましょう。
《墓穴の指名者》
長所
- ターン1なし
絶対書き忘れ。
- 墓地利用全般への妨害にもなる
- 次ターンまで効力が続く(良し悪し)
うららに墓穴打って自分のうらら打てなかったり。
- 採用カードに依存しない
墓穴だけ入れれば機能するのは抹殺との明確な差異。
短所
- 《PSYフレームギア・γ》等の手札から捨てるタイプ以外と《無限泡影》に無力
- 《雷神龍ーサンダー・ドラゴン》《妖精伝姫ーシラユキ》《魔弾ーダンシング・ニードル》等で対象をすかされる可能性がある
この回避の仕方はオシャレ。
《抹殺の指名者》
長所
- ミラーマッチでの役割が濃い
【オルフェゴール】や【転生炎獣】のミラーマッチでは墓地リソース以外のメインギミックに干渉する札になり得ます。
- 次ターンまで効力が続かない(良し悪し)
無効にした誘発を自分は使うみたいなこともできます。インチキ。
- 構築次第で墓穴で対応できない範囲をカバーできる
- 先打ちができる
ちょっと厚めに説明します。
《彼岸の黒天使 ケルビーニ》の起動効果に《幽鬼うさぎ》を合わされた際(このうさぎの打ち方有効な打ち方なんですね、知りませんでした…!)、《抹殺の指名者》で《灰流うらら》を宣言。
ケルビーニから落ちるカードは高確率で《カーボネドン》であるため、そこに飛んでくるうららを先回りしてケアするのと同時に、場の抹殺を身代わりにケルビーニをうさぎから守る(ケルビーニの②の効果)という意図のプレイングのようです。
これはルールの話になりますが、同じチェーン上で発動されたカードはそのチェーンブロックがすべて解決されるまで場にある扱いとなります。そのためチェーン3で打たれたカードを身代わりにチェーン2での破壊を免れることができると。Twitterで見かけた時すげーってなりました。紹介許可をいただいた方、ありがとうございました。
短所
- ターン1あり
- 無効にしたいカードを最低1枚入れなければならない・それを引いてしまう可能性
→ターン1があるため削るのも選択肢。しかしセットで誘発を採用しているため本命を減らすのも矛盾を生じさせるという特性。
構築を難しく・面白くするカードではあると思っています。
- 採用率の低いカードに対応できない
→《応戦するG》や《トークンコレクター》はこの枠。
当たり前のように使われているカードでも、深堀りすれば普段は意識の外にある特性が見えてきます。なのでこの作業は結構好きです。
どちらのカードも、強いも弱いもまだまだあると思います。致命的なのを取りこぼしてたら鼻で笑ってください(こっそり教えてください)。
色々書きましたが本質はここではなく。次の項へ、どうぞ。
デッキとしての適性
指名者カードを強く使えるデッキとは。入れざるを得ないデッキとは。
- 1枚〜2枚初動である(無理なく積めるスペック)
フル投入を仮定すると、墓穴3抹殺3無効にしたい誘発を仮に3種1枚ずつ(ここにGが最低1枚含まれる)で9枚。うららも恐らく3枚。実に12枚もの、ギミックとはかけ離れたカードがデッキに入っていることになります。ここだけ引いちゃったときの悲惨さときたらもう。
となれば、指名者を持ちつつ強くデッキを回すには「初動に必要な枚数が少なく済む」必要があることはお分かりになるでしょう。最近の【オルフェゴール】がそれにあたりますね。何種類1枚初動あんねん。
指名者の使用に耐えうるデッキとしての適性の話でした。
- 致命的な仮想敵がいる(入れざるを得ない理由)
多くの場合はGで、一部のデッキにとってのサイドチェンジ後のロンギヌス等。
それ以外は手数で超えるプランを取れるデッキは歯痒い採用を余儀なくされている(はず)。
- 展開が通れば勝てる(入れるメリット)
正しく展開できればゲームエンドまで行けるデッキははっきり言って入れ得の類い。
必要枚数が多くリスクを伴うはずの【SPYRAL】が喜んで採用しているのはこのせいだと思っています。一方ガゼルが1枚になった後の【転生炎獣】なんかは、展開が通らなければリソースの回収もままならず、「入れなければならないデッキ」の典型だと感じました。
指名者以外での妨害の超え方
これができれば指名者を絞ったり切ったりできると思っているので頑張って考えます。
- 手数で超える
指名者の次に脳筋発想ですが【ドラゴンリンク】の「イヴが妨害をもらっても、モンスターを追加出来たらハリから結局最高展開」みたいな感じです。守護竜リンクモンスター全部がマストカウンターだったのもとても良かった点です。どこ止めても次がある。
今の展開系はリンクロスが止まるとしんどそう…。
- 妨害を妨害する
指名者がやっているのはこれです。同じことを代わりのカードでやればいいのです。
ADSでの催しに出場していないので詳しくは知りませんが、現在幅を利かせている【3軸シンクロ】【魔救】等は、展開前や過程で《コアキメイル・ガーディアン》《虹光の宣告者》を立て、こちらの手札誘発を遮断しようとします(ガーディアン通常召喚でGが縛られるなんて冗談じゃない…!)。
リンクロスが止まると〜なんて話をしましたが、対抗するプランがあるんですね。
結局Gが重いことには変わらないので指名者は入るのでしょうが、それ頼みじゃないデッキを自分も使いたいです。
- 止まりどころを用意する
某1枚を2枚にする動画に感化され最近使っている【無限起動マシンナーズ】です。安定して「墓地リソースから後続+《マシンナーズ・カーネル》」の成立を目指します。絶対弱い。ランキングデュエルで渾身の一勝をあげるのが目標です。
例に違わずGがきついので指名者を入れたいですが、初動枚数がかさむため指名者適性のないデッキだと感じます。
そこで目を付けた《無限起動ロックアンカー》。このカードの登場時効果にGをもらったら☆5の無限軌道モンスターを特殊召喚。ロックアンカーの効果で☆を合わせて《真竜皇V.F.D》。これでターンを返します。
というように、「Gを打たれたにしては十分だ」という着地点を持っておくのも「超えた」と言うには語弊があれど、デッキ構想段階でできることの一つだと思います。
おい、誰だVFDの方が強いって言ったやつ怒らないから出てこい。
まとめ
書きたいことをバーッと書いていくとまとまらなくなってきます。毎度のことすぎて草。
はじめにも書きましたが、今回書いたことを一枚一枚のカードの採用理由をしっかり考えるそのスタート地点にしていけたらと思います。
別の話ですが、この記事とは別に現在の使用デッキ【エンディミオン】について書こうと思っているのでそちらもよろしくどうぞ。6月初頭目標。
ホープゼアルが流行ると使えなくなるのでお葬式の意も込めて(´;ω;`)